去る11月20日、新潟ユニゾンプラザにて今年度の卒業生事業が開催されました。
「イキイキ100年時代」シリーズ第3弾のテーマは、「『楽しむ』からこれからの豊かさを考える」。
事前募集では定員を超える申込みをいただき、当日は90名の皆様にご参加いただきました。
講師を務めていただいたのは、東海大学健康学部健康マネジメント学科准教授の澤岡詩野先生です。
澤岡先生のご専門は、「老年社会学」。「人とのつながり」と「社会的に健康であること」に焦点をあてた研究されています。
よく「健康寿命」という言葉を聞きますが、今回、お話の中でキーワードに挙がったのは、「幸福寿命」という考え方。
やきりれないような大きなことを始める必要はなく、自分が楽しいと思えることの延長から"豊かさ"を見つけることが、この「幸福寿命」延伸のカギであるといいます。
その楽しみは自己完結するよりも、「近場」の誰かと「共感」すること、誰かに「わける」ことで幸福度が高まり、結果的に死亡や心身の病気になるリスクも低くなるのだそうです。
講演の後には「インタビューセッション」と題し、令和4年度卒業生の和泉洋子さん、令和7年度卒業生の荒澤清さんにご登壇いただきました。
和泉さんは現在、新潟市の農業サポーターとして、また、荒澤さんは在学中に始めた新潟市の運動普及推進委員として
活動されています。
お二人に共通しているのは、はじめから「社会貢献!」「地域の担い手になる!」と意気込んで始めたわけではなく、ご自身の興味や関心をきっかけに活動を始められ、自身のペースで活動をされていらっしゃるという点。「自分が楽しいと思えることの延長」という、前段の講演とも重なります。
自分ためになっているのはもちろんのこと、結果として誰かのためになっていることの嬉しさなどお話いただきました。
最後には新潟市社会福祉協議会の森岡副主査より、各社協が窓口を設置している「ボランティア・市民活動センター」の紹介をしていただきました。
ボランティアの内容は多岐にわたり、最近では芸能披露(演奏・歌・踊り・マジック)、書道・絵画・絵手紙などの講師、
囲碁・将棋・麻雀のお相手など「人を楽しませる」活動の需要が高まっているそうです。
センターでは初めてでも相談しやすいよう、不安や希望を聞き取りながら、一緒に活動を考えてくださるとのこと。
ボランティア活動を通じて、これまでの人生の中で皆さんが身に付けた「できること」を、必要としている方に分けていただくこと、それが自身も周囲も豊かにするとのお話をいただきました。
また、参加者向けに現在募集中のボランティア情報も提供いただきました。
ちょっとした行動、無理のない範囲での「楽しみ」が、5年先、10年先の「豊かさ」に繋がっていく…
講演の中で、講師はそれを「タネマキ」という言葉で表現されていました。
「これでもいいならやってみようかな?」そんな思いが芽生えたら、一歩踏み出すタイミングかもしれません。
今回の講演会が、参加者の皆様やこの記事を読んでくださった方の後押しになれば幸いです。